妊娠中の仕事はいつまで?産休・育休の取り方と相談先

妊娠中の仕事はいつまで?産休・育休の取り方と相談先

監修: 高野恭平 病院長 / 森下重雄 副院長(操レディスホスピタル)
最終更新: 2026年5月


「妊娠中、仕事はいつまで続けられるの?」「産休ってどうやって取るの?」「職場への伝え方がわからない」——妊娠と仕事の両立に悩む方は多くいます。

2026年現在、産休・育休制度は整備が進んでいますが、法律の内容やタイミングについて正確に把握できていない方も少なくありません。この記事では、妊娠中の就労・産休・育休の制度について、産婦人科医の視点から実際の健康管理とあわせて解説します。


目次

  1. 妊娠中の仕事、体の観点から「いつまで」を考える
  2. 産前休業(産休)の制度と取得タイミング
  3. 産後休業・育児休業の流れ
  4. 出産に関連するお金の制度(2026年最新)
  5. 職場への報告と調整
  6. 仕事を続けながら無理なく過ごすためのポイント
  7. よくある質問(FAQ)
  8. 操レディスホスピタルへの受診案内

1. 妊娠中の仕事、体の観点から「いつまで」を考える

法律的な産休の開始前でも、体調や職種によって仕事の仕方を調整することが大切です。

妊娠初期(〜15週)

つわりがある時期で、吐き気・倦怠感が強く集中できない方もいます。

  • 上司・信頼できる同僚への早めの報告を検討する
  • 症状が強い場合は「母性健康管理措置」として業務軽減・休憩の申し出が可能(母性健康管理指導事項連絡カード活用)

妊娠中期(16〜27週)

つわりが落ち着く方が多く、比較的仕事をしやすい時期。ただし体重増加に伴い疲れやすくなることも。

  • お腹が大きくなり動きが制限される作業は見直しを
  • 定期的な妊婦健診のスケジュールと仕事の調整を

妊娠後期(28週〜)

お腹が大きくなり、立ち仕事・長距離通勤・重い荷物の運搬は体への負担が増します。

  • 通勤時間帯を調整する(時差通勤)
  • テレワーク・在宅勤務の活用
  • 体調に応じて早めに産前休業に入ることも選択肢

2. 産前休業(産休)の制度と取得タイミング

産前休業とは

労働基準法第65条に基づき、出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)から取得できる休業制度です。本人が請求した場合のみ取得でき、強制ではありません。

区分 取得可能期間 法的根拠
産前休業 出産予定日の6週間前(双子等は14週間前)〜出産 労働基準法第65条
産後休業 出産翌日から8週間(本人が希望し医師が認める場合は6週間後から就業可) 労働基準法第65条

産前休業の開始タイミング(目安)

出産予定日が10月1日の場合:
– 単胎: 8月20日前後から産前休業取得可
– 多胎(双子等): 7月8日前後から産前休業取得可

産前休業の開始は本人が決められます。出産予定日より早くに取得しても、遅くに取得しても問題ありません(産後休業は法定で8週間の休業が必要です)。

母性健康管理指導事項連絡カード(マタニティ連絡カード)

医師が「軽易な業務への転換」「休業」などを指導した場合、このカードを使って職場に伝えることができます。操レディスホスピタルでも交付しています。お気軽にご相談ください。


3. 産後休業・育児休業の流れ

産後休業(法定8週間)

出産翌日から8週間は会社に通知するだけで取得できる強制的な休業期間です(産後6週経過後は本人の申請と医師の許可があれば就業可能)。

育児休業(育休)

育児・介護休業法に基づき、子が1歳になるまで(保育所に入れない場合等は最長2歳まで)取得できます。男性・女性ともに取得可能です。

制度 内容
育児休業(通常) 子が1歳(最長2歳)まで
産後パパ育休(2022年〜) 出産後8週間以内に4週間まで取得可。分割取得可能
育休の分割取得 2回まで分割して取得できる

育休取得の申請タイミング

育休開始の1ヶ月前までに会社に申し出るのが一般的です(育児・介護休業法上は1ヶ月前が推奨)。


4. 出産に関連するお金の制度(2026年最新)

出産育児一時金(2026年最新)

健康保険から50万円が支給されます(2023年4月から42万円より引き上げ)。直接支払制度を利用すると、病院への支払いに直接充てられます。

出産手当金

健康保険の被保険者が産休中に受け取れる給付金です。

  • 支給期間: 出産予定日の42日前〜産後56日まで(最大98日間)
  • 金額: 標準報酬日額の3分の2

例: 日給換算で1万円の方 → 1日約6,667円 × 最大98日 = 約65.3万円

育児休業給付金

雇用保険の被保険者が育休中に受け取れる給付金です。

  • 育休開始〜180日: 賃金の67%相当
  • 181日以降: 賃金の50%相当

2025年以降の改正により、夫婦ともに育休を取得する場合、一定期間は給付率が引き上げられる特例があります(詳細はハローワークにご確認ください)。

出産・子育て応援給付金(自治体によって異なる)

岐阜市など自治体によっては、独自の出産・子育て支援給付金があります。妊娠届提出時・出産時に申請手続きを行ってください。詳細は岐阜市こども政策課にお問い合わせください。


5. 職場への報告と調整

いつ、誰に報告するか

妊娠の職場への報告タイミングに決まりはありません。一般的には以下を目安にする方が多いです。

  • 直属の上司: 妊娠が安定する12週前後(ただし体調不良が続く場合は早めに)
  • 同僚・その他: 安定期に入った14週以降が多い

上司への報告が最初のステップで、その後、必要な配慮事項(通勤時間・業務内容・休憩)を相談します。

伝えるべき内容

  • 出産予定日
  • 産休・育休の取得希望時期
  • 業務上の引き継ぎが必要な事項
  • 体調面で配慮いただきたいこと(ある場合)

ハラスメントへの対応

妊娠・出産を理由とした不当な扱い(マタハラ)は禁止されています。上司や職場の対応に問題がある場合は、都道府県労働局・労働基準監督署に相談することができます。


6. 仕事を続けながら無理なく過ごすためのポイント

通勤の負担を減らす

混雑した電車での通勤は体に負担です。時差通勤・テレワーク・マタニティマークの活用を検討しましょう。

定期検診を優先する

妊婦健診は妊娠の安全管理に欠かせません。「仕事が忙しいから」と健診を後回しにせず、スケジュールを確保してください。妊娠中の健診では事業主は就業時間内の受診を妨げてはならないとされています(均等法第12条)。

無理をしない

「頑張れば続けられる」と無理をして、切迫早産や高血圧などのリスクを高めることは本末転倒です。体に異変を感じたら早めに産婦人科へ。


7. よくある質問(FAQ)

Q1. 妊娠中、仕事はいつまで続けられますか?

法律上は産前休業(出産6週間前)まで就業できます。ただし体調・職種によっては早めに休業することも選択肢です。産婦人科医の指導に基づいて判断しましょう。

Q2. パート・アルバイトでも産休・育休は取れますか?

雇用期間が1年以上継続している場合(または労使協定で除外されていない場合)は育休を取得できます。産後休業は全ての女性労働者に適用されます。詳細は勤務先または管轄のハローワークにご確認ください。

Q3. 産前休業はいつから取れますか?

出産予定日の6週間前から取得できます(多胎は14週間前)。ただし取得は任意です。体調に合わせて早めに取得することも可能です。

Q4. 出産育児一時金はいくらですか?

2026年現在、50万円です(2023年4月から引き上げ)。直接支払制度を利用すると、出産費用に自動的に充当されます。

Q5. 育児休業給付金をもらうには何が必要ですか?

育休前の2年間に雇用保険に12ヶ月以上加入していること(育休開始前2年間)が主な要件です。申請は産後、勤務先を通じてハローワークに行います。

Q6. 妊娠中に業務軽減を求めることはできますか?

はい。母性健康管理指導事項連絡カードを産婦人科医に交付してもらい、職場に提出することで、業務の転換・時短・休憩の確保などを申し出ることができます。

Q7. 岐阜市独自の支援制度はありますか?

岐阜市では出産・子育て応援ギフト(妊婦面談後の給付)などの支援があります。詳細は岐阜市のホームページまたは担当窓口にご確認ください。


操レディスホスピタルへの受診案内

操レディスホスピタル
住所: 岐阜市鹿島町3丁目56番地
電話: 058-233-8811
診療科: 産科・婦人科・不妊治療

仕事と妊娠の両立でお悩みの方、母性健康管理指導事項連絡カードのご相談、業務軽減の医師意見書が必要な方は、妊婦健診の際にお気軽にご相談ください。


関連記事(内部リンク)


参考文献・出典

  • 厚生労働省「産前産後休業・育児休業等について」
  • 育児・介護休業法(2022年改正版)
  • 労働基準法第65条
  • 厚生労働省「雇用保険法 育児休業給付」
  • 岐阜市「出産・子育て支援サービス」

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