Assisted Reproductive Technology

体外受精・胚移植法

体外受精・胚移植法

卵巣で育った卵胞から卵子を取り出し、精子を選別して体外で受精させ、分割胚から胚盤胞まで培養して子宮に移植するまでの一連の過程をいいます。

有効性

体外受精・胚移植法は、次のようなケースに有効です。

一般不妊治療を行っても妊娠しない方

タイミング療法や人工授精法などを行っても妊娠しなかった方

卵管因子の方

卵管が閉塞あるいは狭窄している場合やピックアップ障害の方

精液所見が不良の方

人工授精の対象外となる精子の異常(数が少ない、運動率が低い)

抗精子抗体陽性の方

奥様に精子に対する抗体がある場合

原因不明不妊の方

※検査によっても不妊原因が特定できず、一般不妊治療を1年以上の長期にわたり行っても妊娠に至らない場合、体外受精・胚移植法を行うことによって原因が特定される場合があります。

難治性不妊症の方

子宮内膜症や子宮腺筋症など、原因はある程度特定できているが、各種治療によっても妊娠に至らない場合

無精子症の方

睾丸(精巣)での造精機能が認められる場合

ステップ

体外受精・胚移植法は、次の11のステップで行われ、すべて順調に進んで、はじめて妊娠が期待できます。

1.治療前の準備

説明会参加、卵巣刺激方法の選択、術前検査など。

2.卵巣刺激法(排卵誘発治療)

良質な卵子が採取できるよう、できるだけ多く卵胞を育てる目的で行います。

3.採卵

通常、麻酔下にて安全かつ効率よく卵子を採取します。

4.卵子の確認と培養

培養士がすばやく卵子を探し出し、卵子にストレスを与えずに培養します。

5.優良精子の選別

受精に不可欠な良好運動精子のみを回収します。

6.体外受精

一般体外受精法か顕微授精法を選択、あるいはその両方を実施します。当日のご主人の精液の状態から、どの受精法が適するかで決定します。

7.受精の確認

正常受精と異常受精、未受精の選別を行います。

8.培養

当院独自の培養法で胚(受精卵)の培養を行います。

9.胚の評価と胚移植法

分割胚および胚盤胞の状態を評価して、胚移植可能な胚(受精卵)は凍結保存します。胚移植は、初期胚移植、胚盤胞移植、2段階胚移植のいずれかで行います。

10.黄体補充法

着床しやすくなるよう内服薬、腟座薬および注射薬の投与を行います。

11.妊娠判定

尿検査あるいは血液検査を行い判定します。