NIPTで何がわかる?費用・流れ・当院の対応を産婦人科医が解説
妊娠がわかり、赤ちゃんの健康が気になる方に注目されているのが「NIPT(新型出生前診断)」です。母体の血液を採取するだけで胎児の染色体異常を調べられる検査で、侵襲性が低いという特長があります。一方で「どんなことがわかるの?」「費用はいくら?」「年齢制限はある?」など、疑問も多い検査です。当院の具体的な対応も含めて解説します。
この記事でわかること
- NIPTで調べられる染色体異常の種類(13番・18番・21番トリソミー)
- NIPTの対象者・受検可能な時期(妊娠10〜15週)
- 当院の費用(140,000円・当院分娩で60,000円割引)
- 検査の流れと陽性だった場合の対応
目次
NIPTとは?従来の検査との違い
NIPT(Non-Invasive Prenatal Testing:非侵襲性出生前遺伝学的検査)は、妊婦の血液中に浮遊している胎児由来のDNA断片(cfDNA)を解析して、胎児の染色体異常の可能性を調べる検査です。
出生前診断の種類と比較
- NIPT:採血のみ・非侵襲的・感度高い(陽性的中率は年齢による)・「確定診断」ではない
- 母体血清マーカー(クアトロ検査):採血のみ・偽陽性率が比較的高い
- 羊水検査:確定診断・流産リスク約0.1〜0.3%・妊娠15週以降
- 絨毛検査:確定診断・流産リスク約0.5〜1%・妊娠11〜14週
NIPTは採血だけで受けられるため、羊水検査と比べて母体・胎児へのリスクがほぼありません。ただしNIPTは「スクリーニング検査」であり、陽性であっても確定診断ではありません。陽性の場合は羊水検査などで確定診断を行う必要があります。
NIPTで何がわかるか
当院のNIPTでは、以下の3つの染色体異常を検査します。
NIPTで調べる3つの染色体異常
- 21トリソミー(ダウン症候群):最も多い染色体異常。知的障害・心疾患などを伴うことがある
- 18トリソミー(エドワーズ症候群):重篤な心奇形など多発奇形を伴うことが多い
- 13トリソミー(パトウ症候群):重篤な脳・心臓・腎臓の異常を伴うことが多い
NIPTは上記3種類の染色体数の異常(トリソミー)を調べる検査です。その他の染色体異常や遺伝子の変異(単一遺伝子疾患など)は調べることができません。「すべての疾患がわかる」検査ではないことをご理解ください。
NIPTを受けられる対象者・時期
当院では以下の方を対象にNIPTを実施しています。
- 年齢を問わず、胎児の染色体異常が心配な妊婦さん
- 過去の妊娠で染色体異常を指摘されたことがある方
- 超音波検査で赤ちゃんの染色体異常が疑われた方
受検可能な時期
妊娠10〜15週の間が受検可能期間です。妊娠週数によって受検できない場合もあるため、早めにご相談ください。
NIPTについて疑問がある方は、まず外来でご相談ください
当院のNIPT費用と流れ
費用
当院のNIPT費用
- 検査費用:140,000円(検査前・検査後カウンセリング含む)
- 当院での分娩をご予定の方:60,000円割引 → 実質80,000円
- 健康保険は適用されません(自費診療)
受検の流れ
NIPTの意義・限界・結果の解釈について事前に学んでいただきます。録画動画の視聴も可能です。
平日夕方・土曜午後に予約制で実施。ご夫婦での受診をおすすめします。
通常の採血と同様、5〜10mLの採血のみ。痛みは採血と変わりません。
結果は「陰性(低リスク)」または「陽性(要精密検査)」でお伝えします。
羊水検査による確定診断は、連携する岐阜大学病院でご案内します。
陽性だった場合はどうなる?
NIPTで陽性(高リスク)と判定された場合でも、それは確定診断ではありません。次のステップとして、羊水検査などの確定診断が必要です。
NIPTの陽性的中率について
NIPTの陽性的中率は、受検者の年齢・染色体異常の種類によって異なります。例えば21トリソミーの場合、30歳の方では陽性的中率約70〜80%、40歳の方では約90%以上と言われています。陽性であっても全員が実際に異常を持つわけではなく、必ず確定診断が必要です。
陽性の結果を受け取ることは、精神的に大きな負担となります。当院ではそのような場合でも、専門カウンセラーや医師が丁寧に対応し、次のステップについてご夫婦が納得できるまでサポートします。
NIPTを受ける前に考えてほしいこと
NIPTは「受けるべきか、受けないべきか」という正解のない選択です。検査を受けることで安心が得られる方もいれば、結果によって大きな不安を抱える方もいます。
当院では、NIPTを受ける前に必ず「遺伝カウンセリング(説明会)」への参加をお願いしています。検査の意義・限界・陽性だった場合にどうするかを、あらかじめパートナーと話し合った上で決断していただくためです。
「どうしたらいいかわからない」「夫と意見が合わない」という場合も、まずは外来でご相談ください。
まとめ
- NIPTは採血のみで胎児の染色体異常(13・18・21番トリソミー)を調べる検査
- 受検可能時期は妊娠10〜15週。年齢制限はなく、希望する妊婦さん誰でも受検可能(当院)
- 費用は140,000円(当院分娩予定の方は60,000円割引で80,000円)
- 陽性でも確定診断ではない。岐阜大学病院と連携して羊水検査で確定
- 受検前に必ず遺伝カウンセリングで説明を受け、夫婦で話し合って決断することが大切
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