不妊症でお悩みの方へ|妊娠を望まれるすべての方々に知ってほしいこと
このコラムでは、妊娠を望まれるすべての方々に対して、不妊症に関する基本的な知識をわかりやすく解説します。不妊の定義から原因、検査のタイミングまで、岐阜市の操レディスホスピタル生殖医療統括部長が監修しています。
- 不妊症の定義と「一定期間」の目安
- 不妊の原因(女性因子・男性因子)の割合
- 不妊症になりやすい方の特徴(女性編・男性編)
- 検査を始めるべきタイミング
目次
不妊とは?
不妊とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。
しかし、妊娠のために医学的な介入が必要な場合もあります。女性に排卵がなかったり、子宮内膜症を合併していたりする場合には、妊娠しにくいことが知られています。このような場合には、1年を待たずに早めの治療が有効です。
また、年齢も大きな要因です。男女ともに加齢により妊孕性(妊娠する力)が低下することが知られています。特に女性では35歳を境に妊娠率の低下が加速するため、年齢を考慮した早めの対応が望まれます。
不妊症の検査・治療の経験がある人は4組に1人
2021年の調査では、不妊の検査や治療を「現在受けている」または「以前受けたことがある」と回答した夫婦は、約4組に1組にのぼることが報告されています(国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査」)。
また、2021年に日本で生まれた赤ちゃんのうち、11.6人に1人は生殖補助医療(体外受精)により誕生した子供であるとされています。不妊治療はもはや特別なことではなく、多くのご夫婦が取り組んでいる身近な医療となっています。
不妊の原因は?
WHO(世界保健機関)の調査によると、不妊症の原因は以下の割合であることが報告されています。
- 女性側に原因がある場合:41%
- 男性側に原因がある場合:24%
- 男女両方に原因がある場合:24%
- 原因不明:11%
このデータからわかるように、不妊の原因のおよそ半数近くに男性側の要因が関わっています。不妊は女性だけの問題ではありません。
不妊の原因のおよそ半数に男性因子が関わっています。検査は男性も女性も一緒に始めることが大切です。
どんな人が不妊になりやすいのでしょうか?(女性編)
以下のような症状や背景をお持ちの方は、不妊のリスクが高い可能性があります。当てはまる項目がある場合は、早めの検査・相談をおすすめします。
(1)月経の異常がある女性
月経周期の異常
月経周期が39日以上と長い場合(稀発月経)や、24日以内と短い場合(頻発月経)には、排卵がうまく起こっていない可能性があります。正常な月経周期は25〜38日とされており、これより大きく外れる場合は注意が必要です。
月経量・期間の異常
月経量が非常に多い場合や、持続期間が8日以上と長い場合(過多月経・過長月経)は、子宮筋腫が子宮内腔を変形させている可能性があります。
反対に、月経量が極端に少ない場合や、2日以内で終わってしまう場合(過少月経・過短月経)は、排卵が起こっていない可能性があります。また、過去に人工妊娠中絶や流産の処置を受けたことがある場合は、子宮内腔の癒着(アッシャーマン症候群)が原因であることもあります。
月経にともなう症状の異常
年々月経痛がひどくなっていく場合や、月経時の下痢、性交痛などの症状がある場合は、子宮内膜症の可能性があります。子宮内膜症は不妊の大きな原因の一つとなります。
(2)性感染症・骨盤腹膜炎
過去にクラミジアや淋菌などの性感染症にかかったことがある方、また骨盤腹膜炎を起こしたことがある方は、卵管因子(卵管の閉塞や癒着)による不妊のリスクが高くなります。
性感染症は自覚症状がないまま進行することもあり、知らないうちに卵管に影響を与えている場合があります。気になる方は早めに検査を受けることをおすすめします。
(3)以前に子宮筋腫・子宮内膜症の診断を受けた方
子宮筋腫や子宮内膜症と診断されたことがある方は、早めに不妊の検査・相談を受けることをおすすめします。
子宮内膜症の患者さんの約半数は不妊症を合併し、不妊症の患者さんの約25〜50%に子宮内膜症が診断されるといわれています。子宮内膜症は進行性の疾患であるため、妊娠を希望される場合は早期の対応が重要です。
(4)35歳以上の方
女性の妊娠率は30歳ごろから徐々に低下し始め、35歳を過ぎると低下が加速し、40歳を超えるとさらに急激に低下します。これは主に卵子の質が年齢とともに低下するためです。
35歳以上で妊娠を希望される方は、1年を待たずに早めに検査を受けることをおすすめします。年齢が高くなるほど、治療の選択肢や効果にも影響が出るため、できるだけ早い段階でのご相談が大切です。
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どんな人が不妊になりやすいのでしょうか?(男性編)
男性不妊のリスクが高い方には、以下のような特徴があります。
身体的な特徴
- 精巣(こうがん)が小さい
- 精巣の上に血管のこぶ(精索静脈瘤)がある
既往歴・病歴
- 小児期の鼠径(そけい)ヘルニアの手術歴がある
- 停留精巣(停留こうがん)の既往がある
- 思春期以降におたふくかぜ(ムンプス)にかかったことがある
- がんの治療で化学療法や放射線治療を受けたことがある
生活習慣・合併症
- 心臓血管系の疾患や糖尿病がある
- 肥満である
- 喫煙習慣がある
- 慢性的な睡眠不足である
男性不妊は自覚症状がほとんどないケースも多いため、なかなか妊娠しないと感じたら、パートナーとともに検査を受けることが重要です。
男性も女性も一緒に検査を始めることが重要です
不妊症の原因のおよそ半分は男性側にあります。しかし、男性の不妊はほとんど自覚症状がないことが多く、検査をしなければわからないケースがほとんどです。
「不妊=女性の問題」と思われがちですが、実際には男女どちらにも原因がある可能性があります。そのため、お二人で一緒に検査を始めることがとても大切です。
操レディスホスピタルでは、女性の不妊検査だけでなく、男性の精液検査も行っております。ご夫婦お二人で安心して検査を受けていただける環境を整えておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
不妊症は決して珍しいことではなく、多くのご夫婦が経験されています。原因は女性側だけでなく男性側にもあることが多く、ご夫婦で一緒に検査・治療に取り組むことが大切です。
特に以下に当てはまる方は、早めの受診をおすすめします。
- 月経周期の異常や月経痛の悪化がある方
- 子宮筋腫・子宮内膜症の既往がある方
- 35歳以上で妊娠を希望されている方
- 性感染症の既往がある方
- なかなか妊娠しないと感じているご夫婦
操レディスホスピタルでは、不妊の期間に関わらず、妊娠を希望されるすべてのご夫婦の検査・治療に柔軟に対応しております。お悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
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