卵管造影検査(HSG)とは?痛み・費用・検査の流れを医師が解説

「卵管造影検査は痛いと聞いて不安」「費用はどのくらいかかるの?」――不妊治療の初期検査として重要な卵管造影検査(子宮卵管造影検査・HSG)について、多くの方が痛みや費用の不安を感じていらっしゃいます。この記事では、卵管造影検査でわかること、検査の流れ、痛みの実態、保険適用の費用目安、そして検査後に妊娠しやすくなる「ゴールデン期間」について、生殖医療専門医が正直に解説します。

この記事でわかること

  • 卵管造影検査の目的(卵管の通過性・子宮の形態異常の確認)
  • 検査の流れ(ステップ形式で解説)
  • 痛みの実態と当院での痛み軽減の取り組み
  • 費用目安(保険適用で約3,000〜6,000円)
  • 検査後のゴールデン期間(妊娠しやすくなる理由)

目次

卵管造影検査(HSG)とは

卵管造影検査(HSG:Hysterosalpingography)は、子宮口から造影剤を注入し、レントゲン撮影を行うことで卵管の通過性と子宮内腔の形態を調べる検査です。不妊原因の約25〜35%を占める卵管因子の有無を確認するため、不妊治療の初期段階で行われる重要な検査の一つです。

自然妊娠するためには、卵子と精子が出会う卵管が通っていることが大前提です。卵管が詰まっている(閉塞)、あるいは狭くなっている(狭窄)場合、自然妊娠が困難になります。卵管造影検査はこの卵管の状態を視覚的に確認できる唯一の検査方法です。

検査の目的 ── 何がわかるのか

卵管の通過性

造影剤が子宮から卵管を通ってお腹の中に広がる様子をレントゲンで確認します。造影剤が卵管を通過すれば「卵管は通っている(開存)」、途中で止まれば「卵管が詰まっている(閉塞)」と判定されます。左右それぞれの卵管の状態を個別に確認できます。

子宮の形態異常

造影剤が子宮内腔に広がる際の形状から、子宮の形態異常(中隔子宮、双角子宮など)の有無を確認できます。子宮の形態異常は着床障害や流産の原因になることがあるため、不妊治療を進めるうえで重要な情報です。

卵管留水腫の有無

卵管留水腫(卵管に液体がたまった状態)があると、体外受精の着床率に影響する可能性があります。卵管造影検査で卵管留水腫が確認された場合は、治療方針に反映することができます。

検査の流れ

卵管造影検査は外来で行える検査で、検査自体の所要時間は10〜15分程度です。以下の流れで進めます。

1

検査日の決定

月経終了後から排卵前(月経周期の5〜10日目頃)に実施します。この時期は子宮内膜が薄く、妊娠の可能性もないため検査に適しています。

2

検査前の準備

痛みの軽減のため鎮痛剤を服用していただきます。感染予防の抗生剤を処方する場合もあります。

3

カテーテルの挿入

内診台に上がっていただき、子宮口から細いカテーテル(管)を挿入します。

4

造影剤の注入・レントゲン撮影

カテーテルを通して造影剤をゆっくりと注入しながら、レントゲンで子宮と卵管の形状を撮影します。造影剤が卵管を通過してお腹の中に広がる様子を確認します。

5

結果説明

撮影した画像をもとに、卵管の通過性や子宮の形態について医師が説明します。当日または後日の診察で詳しい結果をお伝えします。

痛みについて

卵管造影検査の痛みについては、正直にお伝えしたいと思います。痛みの感じ方には個人差がありますが、造影剤を注入する際に子宮や卵管が広がることで、生理痛のような鈍い痛みや圧迫感を感じる方がいらっしゃいます。

特に卵管が狭くなっている方や詰まりがある方は、造影剤が通過しにくいため痛みが強くなる傾向があります。一方で、卵管が問題なく通っている方は「思ったほど痛くなかった」と感じることが多いです。

検査時間は10〜15分と短く、痛みも検査中だけのことがほとんどです。検査後は通常通りの生活を送っていただけますが、少量の出血や下腹部の軽い違和感が1〜2日続くことがあります。

卵管造影検査について不安やご質問がある方へ

経験豊富な生殖医療専門医が丁寧に対応いたします。まずはお気軽にご相談ください。

費用について

卵管造影検査は不妊治療の一環として保険適用で受けることができます。自己負担3割の場合の費用目安は以下の通りです。

項目 費用目安(3割負担)
子宮卵管造影検査 約3,000〜6,000円
初診料・再診料 約1,000〜3,000円
鎮痛剤・抗生剤 数百円程度

造影剤の種類(油性・水溶性)や追加の検査によって費用は多少変動します。具体的な費用については受診時にお問い合わせください。不妊治療は2022年4月から保険適用が拡大されており、卵管造影検査も保険の範囲内で受けていただけます。

検査後の注意点とゴールデン期間

検査後の注意点

  • 検査当日の入浴はシャワーのみにしてください(翌日から入浴可能)
  • 少量の出血が1〜2日続くことがありますが、通常は心配いりません
  • 強い腹痛や発熱がある場合はすぐにご連絡ください
  • 検査後の夫婦生活は翌日以降から可能です

ゴールデン期間 ── 検査後は妊娠しやすくなる

卵管造影検査後の数ヶ月間は「ゴールデン期間」と呼ばれ、妊娠率が上昇することが広く知られています。これは検査中に造影剤が卵管を通過することで、卵管内の軽い癒着や粘液が洗い流され、卵管の通りが良くなるためと考えられています。

特に検査後3〜6ヶ月が妊娠しやすい時期とされており、この期間にタイミング法や人工授精などの治療を組み合わせることで、妊娠の可能性を最大限に高めることができます。

当院での検査体制

操レディスホスピタルでは、不妊治療の初期検査として卵管造影検査を積極的に行っています。年間572件の採卵(2025年実績)を行う生殖医療の専門施設として、検査から治療、そして妊娠・出産まで一貫した医療を提供しています。

卵管造影検査は「怖い」「痛そう」というイメージから受けることをためらう方もいらっしゃいますが、不妊原因を見つけるうえで非常に重要な検査です。当院では生殖医療専門医が痛みに配慮しながら丁寧に検査を行い、結果についてもわかりやすくご説明いたします。

検査で卵管の問題が見つかった場合も、当院には体外受精の臨床妊娠率51.7%(2025年実績)という実績があります。卵管因子による不妊であっても、体外受精により卵管を経由せずに受精・着床させることが可能です。検査結果がどのような内容であっても、それぞれの方に最適な治療プランをご提案いたします。

24時間365日対応の診療体制で、検査後の体調不良にもいつでもお応えできる環境を整えています。不安なことがあれば、時間を問わずご連絡ください。

よくある質問

卵管造影検査は痛いですか?

痛みの感じ方には個人差がありますが、造影剤を注入する際に子宮や卵管が広がることで、生理痛のような痛みや圧迫感を感じる方がいます。卵管が詰まっている場合は痛みが強くなる傾向があります。当院では検査前に鎮痛剤を使用するなど、痛みの軽減に配慮して検査を行っています。

卵管造影検査の費用はいくらですか?

卵管造影検査は保険適用の検査です。3割負担の場合、検査費用の目安は約3,000〜6,000円程度です(造影剤の種類や追加検査の有無により異なります)。別途、初診料や再診料がかかる場合があります。

検査後に妊娠しやすくなるって本当ですか?

はい。卵管造影検査後の数ヶ月間は「ゴールデン期間」と呼ばれ、妊娠率が上昇することが知られています。造影剤が卵管を通過する際に、軽い詰まりや粘液が洗い流されて卵管の通りが良くなるためと考えられています。特に検査後3〜6ヶ月が妊娠しやすい時期とされています。

卵管造影検査はいつ受けるのがいいですか?

月経終了後から排卵前(月経周期の5〜10日目頃)に行うのが一般的です。この時期は子宮内膜が薄く検査がしやすいこと、また妊娠の可能性がないことから最適なタイミングとされています。

卵管が詰まっていた場合はどうなりますか?

片方の卵管が詰まっている場合、もう片方の卵管が通っていれば自然妊娠の可能性は残ります。両方の卵管が閉塞している場合は自然妊娠が困難なため、体外受精(IVF)が治療の選択肢になります。当院は体外受精の臨床妊娠率51.7%(2025年実績)と高い実績を持っており、卵管因子による不妊にも対応しています。

検査中にアレルギー反応が出ることはありますか?

造影剤に対するアレルギー反応が起こる可能性はわずかにあります。過去にヨード造影剤でアレルギー反応が出たことがある方や、甲状腺疾患をお持ちの方は事前にお知らせください。当院では検査前に問診でアレルギー歴を確認し、安全に検査を行えるよう準備しています。

松原 寛和 医師

監修

松原 寛和

生殖医療統括部長|医学博士、日本産科婦人科学会専門医・指導医、日本生殖医学会 生殖医療専門医、母体保護法指定医

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