おりもの 異常 完全ガイド|色別・においの判断と受診目安
「おりものの色がいつもと違う」「においが気になる」「量が急に増えた」。おりものの変化は、膣・子宮・卵巣の状態を反映するバロメーターです。正常なおりものとはどのようなものか、異常なおりものにはどんな原因があるのかを正しく知ることで、受診すべきタイミングを適切に判断できます。本記事では、おりものの色・量・においの変化を分かりやすく解説します。
目次
- 正常なおりものとは
- 月経周期とおりものの変化
- 色別・状態別の異常おりもの一覧
- においの異常と考えられる原因
- おりもの異常の主な原因疾患
- 受診すべきサイン
- 日常のケアとNG行動
- ルイかのう院でのおりもの相談
- FAQ よくある質問
1. 正常なおりものとは
おりものは、子宮頸管・子宮内膜・膣壁からの分泌物が混ざったものです。自浄作用(膣の酸性環境を保ち細菌感染を防ぐ)を持つ重要な体液です。
正常なおりものの特徴
| 項目 | 正常の範囲 |
|---|---|
| 色 | 透明〜白色・やや黄みがかったクリーム色 |
| 量 | 少量〜中量(日によって変動あり) |
| においにおい | ほぼ無臭〜かすかな酸味(乳酸菌によるもの) |
| 性状 | サラサラ〜やや粘稠。乾燥すると黄みがかることもある |
おりものが乾燥すると下着に黄色っぽく見えることがありますが、これは正常です。
2. 月経周期とおりものの変化
おりものの量・性状は月経周期を通じて変化します。
| 月経周期の時期 | おりものの特徴 |
|---|---|
| 月経直後(低温期前半) | 少量・やや粘稠 |
| 排卵前後(排卵期) | 量が増える・透明で糸を引くような粘稠(最も多い) |
| 排卵後〜月経前(黄体期) | 白色〜クリーム色・やや粘稠・量が減る |
| 月経直前 | 少量・白濁〜クリーム色 |
排卵期のおりものが多く「卵白状」になるのは正常で、妊娠しやすい時期のサインでもあります。
3. 色別・状態別の異常おりもの一覧
| おりものの状態 | 考えられる主な原因 | 受診必要度 |
|---|---|---|
| 透明・白色(通常量) | 正常 | 不要 |
| 透明・卵白状(排卵期) | 正常(排卵サイン) | 不要 |
| 白色・チーズ状・かたまり | カンジダ腟炎 | 要受診 |
| 黄色・黄緑色・泡状 | トリコモナス腟炎・細菌性腟炎・淋菌感染 | 要受診 |
| 緑色・膿状 | 淋菌感染症・細菌性腟炎の重症 | 早急に受診 |
| 灰色・魚臭いにおい | 細菌性腟炎(BV)、ガルドネレラ感染 | 要受診 |
| 薄い茶色・ピンク(少量) | 生理前後・排卵出血・着床出血 | 低(繰り返す場合は相談) |
| 茶色・血が混じる(繰り返す) | 不正出血・ポリープ・頸がん等 | 高(要受診) |
| 鮮血・多量の出血 | 不正出血・子宮疾患等 | 高(要受診) |
| 量が極端に多い(水っぽい) | 腟炎・子宮体がん等 | 高(要受診) |
4. においの異常と考えられる原因
| においの特徴 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 酸っぱいにおい(乳酸菌による) | 正常 |
| 生臭い・魚のような強いにおい | 細菌性腟炎(BV)——最も多い原因 |
| 甘いにおい・パン酵母のようなにおい | カンジダ腟炎 |
| 膿のような・腐敗臭 | 重篤な細菌感染・子宮頸がん等 |
| 血液の鉄っぽいにおい | 不正出血が混じっている |
悪臭が強い・においが続く場合は必ず婦人科を受診してください。
5. おりもの異常の主な原因疾患
カンジダ腟炎
- 特徴: 白色・チーズ状(カッテージチーズ状)のおりもの+強いかゆみ
- 原因: カンジダ属(真菌)の異常増殖。抗生物質使用後・免疫低下・睡眠不足で起こりやすい
- 治療: 抗真菌薬の膣錠・外用薬(処方には医師の判断が必要)
細菌性腟炎(Bacterial Vaginosis: BV)
- 特徴: 灰色〜白色のおりもの+魚臭いにおい(特性有)
- 原因: 正常な乳酸菌(ラクトバチルス)が減少し、嫌気性菌(ガルドネレラ等)が増殖
- 治療: 抗菌薬(メトロニダゾール等、処方には医師の判断が必要)
トリコモナス腟炎
- 特徴: 黄緑色・泡状のおりもの+強いかゆみ・灼熱感
- 原因: トリコモナス原虫への感染(性感染症)
- 治療: 抗原虫薬(メトロニダゾール等、処方には医師の判断が必要)。性パートナーも同時治療が必要
クラミジア子宮頸管炎
- 特徴: 量が多い・水っぽいおりもの(無症状のことも多い)
- 原因: クラミジア・トラコマチスへの感染(最も多い性感染症)
- 治療: 抗菌薬(アジスロマイシン等、処方には医師の判断が必要)。性パートナーも治療が必要
- 注意: 放置すると不妊・子宮外妊娠のリスク
淋菌感染症
- 特徴: 黄色〜黄緑色の膿状おりもの
- 原因: 淋菌への感染(性感染症)
- 治療: 注射用抗菌薬(処方には医師の判断が必要)
萎縮性腟炎(閉経後)
- 特徴: 量が増える・水っぽい・かゆみ・性交痛
- 原因: 閉経後のエストロゲン低下による膣粘膜の萎縮
- 治療: 局所エストロゲン製剤等(処方には医師の判断が必要)
6. 受診すべきサイン
以下に1つでも当てはまる場合は婦人科を受診してください。
- おりものの色が黄色・緑・灰色など普段と大きく異なる
- 強いかゆみ・灼熱感・外陰部の赤みがある
- 強い悪臭(生臭い・腐敗臭)がある
- 量が急に増えた・ずっと続いている
- 血が混じるおりものが繰り返す
- 下腹部痛・発熱・排尿時の痛みを伴う
- 性感染症の可能性がある(パートナーが感染等)
7. 日常のケアとNG行動
正しいデリケートゾーンのケア
- 洗い方: ぬるま湯で優しく洗う。膣内は洗わない(洗いすぎると正常な乳酸菌が減少する)
- 石鹸: デリケートゾーン専用の低刺激石鹸を使用する(弱酸性)
- ナプキン・おりものシート: こまめに取り換える。長時間の使用で蒸れて菌が増殖しやすい
- 下着: 通気性のよい綿素材を選ぶ
NG行動
- 膣洗浄(ウォシュレットの膣内洗浄・膣内洗浄器): 正常な常在菌を除去し、腟炎を引き起こすリスクがある
- きつい化学繊維の下着: 蒸れ・かぶれの原因
- 抗生物質の不適切な使用: カンジダ腟炎を誘発しやすい
8. ルイかのう院でのおりもの相談
「おりものの色やにおいが気になる」「かゆみがある」「パートナーが性感染症と言われた」など、デリケートな悩みでも安心してご相談ください。ルイかのう院(岐阜市)では、感染症検査・腟炎の治療に対応しています。
関連コラム
9. FAQ よくある質問
Q1. おりものが多いのですが、病気ですか?
A. おりものの量は個人差が大きく、排卵期や妊娠初期に多くなるのは正常です。色・においに変化がなく、かゆみ・痛みもない場合は多くの場合正常範囲内です。急激に増えた・他の症状を伴う場合は受診を検討しましょう。
Q2. おりものシートをずっとつけていても大丈夫ですか?
A. おりものシートは便利ですが、長時間使用すると蒸れて細菌が繁殖しやすくなります。こまめに取り換えるようにしましょう(最低でも1日2〜3回)。
Q3. カンジダ腟炎は性感染症ですか?
A. カンジダ腟炎は必ずしも性行為で感染するものではなく、体内の常在菌(カンジダ)が免疫低下・抗生物質使用・ストレス等で異常増殖することで発症します。ただし、性行為による感染もあります。
Q4. クラミジアに感染しているか不安です。どうしたらいいですか?
A. クラミジアは無症状のことが多い性感染症です。パートナーが感染した・心当たりがある場合は、婦人科でクラミジア検査(おりもの検査)を受けることをお勧めします。
Q5. おりものの異常があっても妊娠できますか?
A. 腟炎・性感染症は早めに治療すれば多くの場合妊娠に影響しません。ただし、クラミジアを放置すると卵管炎・不妊の原因になることがあります。妊活中は特に早めの受診をお勧めします。
受診・お問い合わせ
ルイかのう院(岐阜市)
- 電話予約: 058-214-6160
- Web予約: https://www.misao-ladies.jp/louis-kano/reservation/
参考文献・出典
- 日本産科婦人科学会「腟炎・外陰炎の診療ガイドライン」
- 日本性感染症学会「性感染症 診断・治療 ガイドライン 2023」
- 厚生労働省「性感染症に関する情報」
- Sobel JD. (2016) “Recurrent vulvovaginal candidiasis.” Am J Obstet Gynecol 214(1):15-21.
監修: ルイかのう院 婦人科医師|最終更新: 2026年5月