院長インタビュー|41歳で出産した産婦人科医が伝えたいこと — ルイかのう院 森 美奈子

Interview

院長インタビュー

41歳で出産した産婦人科医が、
患者さんに伝えたいこと

ルイかのう院 院長の森 美奈子先生に、医師としてのキャリア、出産経験、そしてクリニックへの想いを聞きました。

ルイかのう院 院長 森 美奈子
森 美奈子(もり みなこ)
操レディス ルイかのう院 院長 / 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
岐阜大学医学部卒業。岐阜大学医学部附属病院にて約8年間、婦人科手術・腫瘍研究に従事。その後、名古屋市の妊婦健診クリニック、操レディスホスピタル常勤医を経て、2026年3月ルイかのう院 院長に就任。

Career

医師を志した理由

初期研修でさまざまな診療科を回る中で、森先生の目に留まったのは産婦人科でした。他の診療科では、病気やけがという辛い理由で病院を訪れる患者さんがほとんどです。けれど産婦人科には、新しい命の誕生という喜びの瞬間がありました。「出産」という幸せな理由で病院に来る方がいる――その事実が、森先生の進路を決めました。

岐阜大学医学部を卒業後、森先生は岐阜大学医学部附属病院の産婦人科に進み、約8年間にわたって婦人科手術と腫瘍の研究に携わりました。大学病院での日々は、医学の最前線を学ぶ充実した時間でしたが、同時に深い葛藤も抱えることになります。

がんで亡くなる患者さんを目の前にするたびに、自分の無力さを感じていました。研究を続けることが辛くなった時期もあります。でも、その経験があったからこそ、今の私がいると思っています。

研究の道半ばで心身ともに疲弊した森先生は、一度立ち止まる決断をします。休養を経て、名古屋市の妊婦健診クリニックへ。そこで出会ったのは、論文の数字ではなく、一人ひとりの患者さんの笑顔でした。大学病院で学んだ高度な医学知識と、臨床で直接患者さんと向き合う喜び。その両方を持つ医師として、新たな一歩を踏み出しました。

Experience

41歳で出産して変わったこと

森先生はずっと子どもを望んでいました。けれど不妊治療という選択はせず、「子どもは授かりもの」という想いで日々を過ごしていたそうです。40代に入り、もう難しいだろうと心のどこかで諦めかけていたとき、思いがけず妊娠が分かりました。

産婦人科医として何百人もの妊婦さんを診てきた森先生。しかし、自分自身が妊婦になって初めて知ったことがありました。

つわりがこんなに辛いものだとは思いませんでした。それまで患者さんに「大丈夫ですよ、よくあることですよ」と声をかけていた自分が、実はその大変さを本当には分かっていなかった。もし過去の患者さんにもう一度お会いできるなら、お詫びしたいくらいです。

この言葉には、森先生の誠実さがにじみ出ています。医師としての知識で頭では理解していたことと、自分の身体で経験することには大きな隔たりがあった。その気づきが、森先生の診療を根本から変えました。

不妊に悩む方の気持ちも、41歳で初めて妊娠した自分の経験を通じて、以前とは比べものにならないほど理解できるようになったと語ります。「もう無理かもしれない」と諦めかけた夜の気持ち。妊娠が分かったときの、信じられないような喜び。それは教科書のどこにも書かれていない、経験者だけが持つ言葉です。

現在、森先生は1歳の娘さんを操レディスホスピタル本院の託児所に預けながら、ワーキングマザーとして診療にあたっています。仕事と育児を両立する日々の実感があるからこそ、妊娠・出産を控えた患者さんに伝えられることがあります。

あまり思い詰めないでほしいんです。適度に休養をとって、自分をリラックスさせてあげてください。私自身がそうだったので。

Vision

ルイかのう院で叶えたいこと

2026年3月、操レディスホスピタルの分院として開院したルイかのう院。その院長に就任した森先生が目指すのは、「敷居の低いクリニック」です。

「産婦人科は怖い」「こんなことで受診していいのかな」――そう感じている方は、思っている以上にたくさんいらっしゃいます。来院された患者さんに「あんまり産婦人科っぽくないね」と言っていただけるのが、私にとっては最高の褒め言葉です。

ルイかのう院という名前は、操レディスホスピタルの高野恭平院長のご長男の名前に由来しています。新しい命を育む妊婦さんの健康を願い、家族を大切にする操レディスグループの想いが込められた名前です。

森先生が特に力を入れているのが、「最初の相談窓口」としての役割です。生理不順やPMSといった日常の悩みから、不妊の相談、妊婦健診、さらには更年期障害まで。女性のライフステージ全体を見守るクリニックとして、どんな小さな不安にも耳を傾けます。

操レディスホスピタル本院との連携も大きな強みです。ルイかのう院で気軽に相談を始め、高度な不妊治療や分娩が必要になった場合は、受診データを共有したまま本院へスムーズに紹介できます。森先生自身が本院と行き来しているため、希望すれば担当医として分娩まで関わることも可能です。

医師というより、同じ女性として、幅広い年齢の方とさまざまなお話ができるのを楽しみにしています。一人で悩まず、まず話を聞かせてください。一緒に悩みを解決していきましょう。

Message

患者さんへ

「こんなことで受診していいのかな」

そう迷っているあなたへ。
その「これくらいで」と感じている不調は、実はとても大切なサインかもしれません。

私自身、41歳で出産を経験し、つわりの辛さも、不妊の不安も、仕事と育児の両立の大変さも、身をもって知りました。だからこそ、医師としてだけでなく、同じ経験をした一人の女性として、あなたのお話を聞きたいと思っています。

女性のライフステージは一人ひとり違います。
正解はひとつではありません。
あなたに合った選択を、一緒に考えましょう。

どんな小さなことでも構いません。
患者さんが不快な思いをしないよう、精一杯努めます。
まずは気軽に、お話を聞かせてください。

操レディス ルイかのう院 院長 森 美奈子

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